SAH会18期 第3回 セミナーの報告
日  時
第3回 2005年11月16日(水) pm2:00〜pm5:00
場  所
【駒ヶ根会場】

泰成倶楽部外観 泰成倶楽部
   駒ヶ根市赤穂1433   案内地図(PDF)

閑静な住宅地の中にあり、雰囲気はレンガの外壁や蔦の絡まるコンクリート打ち放しの壁が『大正浪漫』というような言葉を連想させる。
アプローチの植栽や庭園は和の雰囲気。紅葉が美しく、庭園の池に映えていた。
→写真は、夕刻、参加者皆で現場を見学して帰ってきたところ。
内  容
○ 会長挨拶

○ 出版編集部会の報告
報告 /細川(長野ピーエス株式会社)

●出版部会の細川(長野ピーエス)と神主(新建新聞社)で全ての工務店会員さんを訪問し、
ほとんどの会社で承認を得た。
●訪問時アンケートをお願いしたが、回収できたのはまだ3社のみ。
●発行は、来年5月の連休前には本屋に並べたい。


○ トピックス  会員による、新情報の発表。

ソーラーシステム 株式会社 /湯本 喜久雄
発表概要湯本氏
 環境住宅(自宅)のデータを取り続けて10年。熱にこだわり、どうにかしてゼロエネルギーに近づけようとしている。住宅では給湯・暖房・照明が大きなエネルギー。風呂は365日90%以上太陽熱でまかなえる。気密・断熱は決してとても良い家とは言えないが、暖房は74%以上太陽光でまかなえる。あとは照明だが、太陽光発電で照明の電力をどう減らすかを考えればゼロに近づく。記録はまとめて出版したい。
また最近の天災を見聞きするにつけ、省エネルギーだけでなく、快適な住まいまたは災害に強い住まいを是非考えるべきと思う。それが本当のこれからの姿では?。災害時、飲み水はOKでも問題はトイレの排水。我が家では雨水と風呂の残り湯でまかなっている。住宅の中で水の問題は大きい。トヨタのハイブリッドカーに乗っている。インバータでバッテリー100Wがとれる。災害時これでケータイなどの情報通信電源はOKとなりそう、等‥。

川渕氏 三菱電機株式会社 中津川工場 /川渕 勇
発表概要
 透湿膜製全熱交換器の紹介。
他には10月12日行われた小池環境大臣のセミナー「地球温暖化の防止に向けて私達に出来ること」の報告。
配布資料:三菱電機「耐湿タイプロスセントラル換気システム<大風量タイプ>」パンフ2種


有限会社 泰成電気工業 /堀内 一治
発表概要堀内氏
 現在この泰成倶楽部の近くに地下1階地上3階建ての社員寮を建設中。これは現時点で最高の断熱気密性能を有する居住区6戸と、対比する標準内断熱工法の実験区6戸を連続一体のRC3階建てでの集合住宅である。居住区は外断熱、実験区は乾式二重床「万協フロアー」の音の実験を行う。室内環境の変化はデータを採りインターネットを介して山下研究室に送られる。来年5月の完成をめざしている。施工は潟с}ウラ。
配布資料:「泰成電気工業 社宅新築工事」日影図及び平・立面図


井坪建設 株式会社 /井坪 義文
発表概要井坪氏
社長が理事長を務める長野県高齢者福祉住宅事業共同組合で昨年4月に介護事業運営法人Vグリーン鰍設立し、今月松本市里山辺にデイサービスセンター「サングリーンたのしや」をオープンした。木造2階建て延べ床約2700u。木材をステンレス金物で接合する「マンモス工法」を用いて建設した。この工法は在来木造住宅の3倍の耐震性能で、2階には柱の少ない広い空間がとれる。さびにくいオールステンレス金物で木材をしっかり固定するマンモス工法のコストは坪50万円ほど。マンモス工法を全国展開したい考え。プレカット工場で金物取り付けまでを施工した上で工務店に提供していきたい。
配布資料:「サングリーンたのしや」紹介パンフ、新建ハウジング10月10日号紹介記事コピー

事務局 /北村 登美子
発表概要
平成18年6月1日から住宅の火災報知器設置が義務化になる。今まで500u未満の住宅には設置の義務はなかったが平成16年3月、消防法が改正されすべての新築住宅に火災警報器設置の義務が、法制化された。既存住宅は平成23年5月31日までに義務化となる。義務付けられる設置最低基準は寝室と階段。他には7u以上の居室が5つ以上あるフロアの廊下。台所やすべての居室への取り付けも推奨されており、市町村条例で義務付けられる場合もある。主な住宅用火災報知器としては「ハイガード」(ホーチキ)「まもるくん10」(能美防災)「けむり当番」(松下電工)がある。一般的には煙感知器の壁掛け式がいいようである。
配布資料:「住宅用火災報知器ハイガードSS-2LH」 カタログ

現場にて 現場にて
●●現場見学●●

駒ケ根集合住宅(泰成電機工業)の概要


コンセプト
現時点で最高の断熱気密性能を有する居住区6戸と、対比する標準内断熱工法の実験区6戸を連続一体のRC3階建てでの集合住宅を建設する。各種データを収集、評価し新たな知見を得る。更にこの技術が普及し得るか否かについて検討し、まとめて今後の展開を考察する。

住戸内訳 : 居住区6戸、実験区6戸
構   造 : RC3階建て、地下室設備、屋上陸屋根
断熱方法 : 居住区‥外断熱   実験区‥内断熱


居住区
断熱性能値:Q値 1w/uk以下
STO
湿式樹脂モルタル Thermo classic
壁 250mm厚
地下室 ベランダ、廊下の両面50mmスタイロ仕上げ、地中のスタイロ100mm厚外断熱
陸屋根 400mm EPS 50mmモルタル、防水処理、亀裂防止
南面 樹脂ガラス蓄熱材一部使用 樹脂サッシ
三菱 全熱換気システム 常時換気、強制換気併用型
気密性能値 :0.5[cu/u]以下
温水床暖房、PS-HR輻射冷暖房パネル、三菱ヒートポンプ式エアリゾート、6面輻射冷暖房
住宅区
断熱性能値:K値次世代基準(V地域)、または新省エネルギー基準(V地域)
断熱 内断熱 標準仕様
サッシ アルミ ペアガラス引き戸 鋼鉄標準扉
陸屋根 標準防水仕上げ、35度程度の勾配 ソーラー電池 計10kw
計画1種換気
気密性能値 :5[cu/u]以下
地中熱回収パイプ 約100m 塩ビ管、ステンレス管 2箇所 湿度吸放出パネル+炭 地下浸透
○ ゼロエネルギー住宅のワークショップ(3回目)
信州大学工学部内実験棟「無暖房住宅」の測定経過報告 / 山下会長

発表概要
今期第2回は、信州大学工学部のキャンパス内に作った無冷暖房住宅の実験棟について、山下会長よりその後の報告があった。 10月の下旬から11月上旬にかけて宿泊実験が行われた。被験者は9人で、宿泊時間は19時から翌日の18時までとし、快適感・温冷感を対象としたアンケートを9回、サーモカメラ撮影を3回ずつ実施した。 部屋の状況としては、エアコンを停止し、窓の開閉を自由に行うことができるものとした。
実験結果として、この実験期間の室内の平均温度は23〜26℃となり、被験者からは暖かく快適であるという意見が相次いだ。また、室内の湿度が30%程度だったことから、実験後に実験室内に加湿器を設置し、湿度を50%〜60%に上げた。これから冬にかけて、温度とともに湿度調整も重要になってくるものと思われる。
現在はこの湿度調整を行った上で、新たな宿泊実験を計画中である。(山下研究室 堀田)

17期の報告


トップページ 会長のつぶやき 会員紹介 年間計画 リンク集 メール 掲示板