| |
|
|
|
【長野会場】 信州大学工学部 地域共同研究センター3階研修室 長野市若里4-17-1 <JR長野駅から徒歩10分> |
|
|
○講演 長野県で挑戦している無暖房実験住宅の成果 信州大学 / 山下 恭弘 先生 ![]() 9月7日から9日に行われた日本建築学会大会で口頭発表した内容の概略を発表された。「信越BIB」(小林義孝社長)との共同研究として、2006年8月に工学部キャンパス内に実験住宅を建設した。床下500mm、壁は520mmのグラスウール(GW)断熱、天井は700mmのGWブローイングと徹底した高断熱,高気密化を行った。Q値は0.72であり、次世代省エネ基準と比較すると非常に高性能である。実験室内の内部発熱機器は実生活を想定し、安静時を想定した人体模型2体、冷蔵庫、TV、スタンドライトを使用した。今年1月のデータから最低-11.6℃、平均-0.4℃の外気温に対して室温の平均は19±1℃と暖房設備無しで室温が維持されたことを実証した。さらに前年10月、12月、今年1月に人体模型に代わって男女学生に宿泊してもらい、快適感、身体全体の温冷感について評定尺度実験を3回実施した。その結果、快適感では延べ約40人の学生が3回の実験で概ね95%が快適と回答し、身体全体の温冷感では、90%以上が寒くも暑くもないと回答している。以上から冬季の実験住宅の無暖房を実証した。夏季はエアコンを使用し、その消費電力量を測定した。日中は窓を閉め切り、オーニングを下ろし、エアコンを28℃運転とし、夜間は窓を開放した。ただし、8/10〜8/20の11日間はエアコンを終日運転とした。この期間の消費電力量の積算値は44.3kWhであり、6/21〜9/21の3ヶ月間のエアコン使用を想定し、エアコンの成績係数COPを4として予測値を算出すると59.8MJ/uとなる。次世代省エネルギー基準において、長野(V地区)における年間冷暖房負荷の基準値は460MJ/uである。実験住宅の予測値は基準値に対して13%になる。冬季は暖房なしで過ごせたことから、年間の冷暖房負荷は13%という非常に省エネルギーであるという結果となった。今後さらに解析を行っていく予定である。 <<休憩 10分>> 30mメッシュによる長野市の気象状況 信州大学 / 岩井 一博 先生 ![]() AMeDASの気象観測網(約21km四方)より狭い範囲での気象の実態把握、任意の地点における建物の熱負荷シミュレーション計算や有効なパッシブ手法の検討のための資料の必要性、山間部での居住者の増加による気象データの必要性、ヒートアイランド対策を踏まえた都市計画をしなければならないという背景のもと、行政区域全体の気象の把握を目的として研究を行った。平地部ではリモートセンシングによる土地利用図の作成と土地利用毎の代表点における観測データから同じ土地利用のところには同じデータを用いることができるということ、山間部では等高線図の作成と標高100m毎の観測データから土地利用と標高を考慮した長野市のより詳しい気象情報を得るという方法で行った。気象マップはドイツ語ではクリマアトラスといい、都市計画の資料として非常に重要なものである。日本の都市計画もより詳しい都市の気候を考慮して行われるべきである。 ○トピックス <会員による、新情報の発表> 新規会員の青沼建設の青沼さんとエナーテックの松葉さんに自己紹介を兼ねて発表していただきました。 青沼建設 / 青沼 邦信 氏 ![]() 人間社会の今後を考え、省エネルギーの大切さを実感している。地域の閉鎖生態系を利用した縄文時代の生活のように、エネルギーを循環させることができる持続可能な社会を目指すことが必要である。化石燃料を使用しないでエネルギー源を確保することが必要で、太陽エネルギーであったり、バイオマスであったり水素による燃料電池、風力発電などといったクリーンエネルギーの活用や、高気密高断熱住宅などでエネルギー自体をできるだけ使わずに済むようにすることの重要性を現在考えている。この会で高気密高断熱の手法を勉強していきたい。 エナーテック / 松葉 建治 氏 ![]() エナーテック株式会社は14年目の会社で、電気を利用した輻射熱での24時間の全館暖房システムの会社である。床下暖房システムは土間コンクリートにスラブヒーターを施工しコンクリートの蓄熱を利用して暖房を行っている。深夜電力を利用し温水を作り、床下に温水を通すことで蓄熱させている。深夜電力を利用していることで、ランニングコストが安くなり、暖房にかかる費用が抑えられる。大きな容量の電気温水蓄熱器では給湯にも使用できる。会員の建てた家にも使用されているということで、今後より性能のよい家での小さなエネルギーで低コストで暖房できるという結果が得られるかもしれない。 青沼さん、松葉さんどうもありがとうございました。今後もよろしくお願いします。 ○諸連絡 10月の北海道合同研究会について |
トップページ | 会長のつぶやき | 会員紹介 | 年間計画 | リンク集 | メール | 掲示板 |