快適な住環境は熱のコントロールから

理想の暖房は…

人が風力を感じない程度の気流が建物全体及び部屋のすみずみまで行きわたるように…

冬はできる限り室内に風が出来る所をつくらないことが暖房の定義

冬期の快適条件(ISO 7730)

  • ◎効果温度(室温)は22±2℃
  • ◎東部と足下の温度差は3℃以下
  • ◎床面温度は26℃以下(周辺は29℃を許容)
  • ◎平均気流温度は0.15m/s以下
  • ◎冷壁面(窓表面)の放射温度は10℃以下
  • ◎天井加熱面(天井暖房)の表面は+5℃以下

平均気流速度0.15m/sとは

冬の暖房では、風の気流は禁物。風が体の表面を被っている熱の層をはがす事になるため、体感温度が下がります。

体感温度

暖房しているのに寒い、頭は暑いくらいなのに足下は寒い等という事はないでしょうか?
体感温度は、空気温度(対流)と平均放射温度(壁、床、天井、窓)(放射)の組み合わせで決ります。
例えば、
空気温度が24℃
建物の表面温度が12℃
とすると
(12℃+24℃)÷2=18℃
になり、体感温度は18℃になります。


体からの熱が冷たい壁に移動して、寒く感じます。

その為、躯体(壁、床、天井)を暖める事が非常に重要になってきます。 暖房とは、読んで字の如く、房(建物)を暖めると書きます。 躯体を暖めるためには、輻遮熱(放射熱)と対流がある暖房方法をとる事が望ましいです。

輻射と対流とは

輻射(放射)

熱源から発生した熱が、空気をかいさず直接、物を暖める熱。冬のスキー場は空気の温度が-3℃でも何故か日光にあたると体はぽかぽか…。これは、太陽からの輻遮熱のおかげです。

対流

暖まった空気は、上方へと昇っていき、空気の温度が下がってくると下方へ落ちてきます。また暖められると上方へ…と空気の流れが作られます。ただし、空気の流れを感じすぎると逆に不快感が発生。


この2つを組み合わせて、対流で、寒さの原因として窓ガラスからの冷気流(コールドドラフト)を防ぎ、輻射熱で躯体を暖めるような場所へ輻射暖房を設置する事が重要です。


また、暖房をするに当たり、暖房機器だけを考えるとイニシャルコスト、ランニングコストが非常にかかってきます。
建物の断熱性能や窓の性能も充分考慮する必要があります。