山下会長 今月のつぶやき  BUCK NUMBER

今後の住宅政策の流れT(2002/06/28)


住宅の品質、性能表示制度は、そろそろ購入者にとって比較の目標になりつつある。
1995年の阪神大震災で在来工法住宅が多く倒壊したが、在来工法住宅でも倒壊しないのもあった。筋交い、柱、梁の接合などに伝統の工法で正確に施工された住宅であった。

しかし、大半は戦後の荒廃の中での質より量の住宅であった。その結果、当時の建築基準すれすれ満たす程度の住宅か手抜きによる住宅が多く建設されて、倒壊につながった。
これを契機に1998年5月に建築基準の大幅見直しにより地盤基礎、構造面の強化が義務付けられた。
さらに1999年3月に次世代省エネルギー基準の告示があり、同年6月には住宅品質確保促進法(品確法)が告示された。施工者側の瑕疵責任、住宅性能表示と連動した紛争処理の迅速化の仕組みになっており翌2000年4月に施行され、同年10月に性能表示制度がスタートしている。
さらに中古住宅の品質表示と建設廃材のリサイクル化が制度化されに至っている。融資面でも銀行に自由競争させる方向付けなど、需要を喚起する方針は整ってきている。

しかし、建設業は依然として景気の低迷が続いている。一方、首都圏の集合住宅の需要は、低価格帯、高価格帯の物件がそろって伸びているが、戸建て住宅は低迷している。
統計的に見ると全国の世帯数に対し、住宅の数は多い。
これまでの量の住宅供給から質と高耐久長寿命住宅の供給が要求されていることをまず理解しなければならない。



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