| 山下会長 今月のつぶやき BUCK NUMBER |
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今後の住宅政策V(2002/08/25) 住宅の高性能化、すなわち次世代省エネルギー基準が浸透し始めて高気密高断熱化がごく普通に理解されるようになってきた。しかし、予想されない落とし穴が出てきた。それは室内の空気質が気密化された結果、新築時から継続して使用部材から発生する揮発性有機化合物(VOC)により、咳き込むとか、皮膚に炎症を起こすとか体調を悪くするなどシックハウス症候が続出し始めた。 ここにおいて換気、それも計画換気として常時機械換気をして換気回数が0.5回を維持することの重要性が判ってきた。代表的な物質として壁紙、建材などの接着剤に含まれてきたホルムアルデヒドが主因と断定され、遅ればせながら1997年4月ホルムアルデヒド指針値として0.08ppm以下が示された。建材も一斉にノンホルム化にむけて変更が進んできているなかで、さらにホルムアルデヒド以外にも悪さをする物質として7VOCの指針値が2000年9月に示された。当然、品質確保促進法の性能表示に空気質として取り上げられている。 性能表示としてVOC濃度表示を行おうとすれば、住戸ごとに実測検査が必須となる。他の構造、地盤、劣化、火災、温熱などは、設計住宅性能評価書の内容が実現されていることを、現場立ち入り目視などにより確認することになっているのと異なる。なお、この濃度表示は音と同じに選択表示事項である。 |