| 山下会長 今月のつぶやき BUCK NUMBER |
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(2006/12/10) 会長の山下です。年末に向けて忙しい時期かと思います。 しばらく休刊しておりましたが、今期の総会の活動計画に掲げましたようにThe SAHの発刊が再開されます。 3回シリーズで12月中旬、1月中旬、2月中旬に発刊していく予定です。 その大きな狙いは、次世代省エネルギー基準に沿ったQ値の計算があまり正確に行われていないことがわかったことに対してです。 山下研究室の学生諸君に各自やってもらっても値が異なるなど、計算に信頼性がないことがわかりました。 もう1度、次世代省エネルギー基準に沿って算出する原点に戻って、excelを用いてやさしく計算するsoftの開発をすることにしました。 第1回、第2回には考え方、用語の解説、式の使い方などを説明して、第3回目にはsoftを会員皆さんに配布することを予定しております。 Q値は、あくまで設計上の断熱性能を現すもので、それが正確であっても、建設後の性能を表すものではありません。 また、多々獲物の大きさによっても、性能、特に消費エネルギーにおいて異なることがわかりました。 現在、3棟の無断熱・超省エネルギー木造住宅の通年測定を実施中であります。 2棟の外断熱RC住宅についての性能検証をするために通年計測中でもあります。 いずれも冬季の初旬は予想以上の無暖房、もしくは超省エネルギー消費であることがわかっております。 また、今年10月10日前後に工学部キャンパス内に建設された無暖房実験住宅は通年の実測を行って、取り壊しとなりました。 建設コンセプトは、工法にこだわらずに可能な限り断熱・気密を強化した建物でした。 結果として夏はエアコンを使用しましたが、次世代省エネ基準で許容するV地区(長野市)の年間冷暖房負荷の基準値、460MJ/u・年のわずか13%でした。 勿論、冬季は無暖房であることは実証されました。 条件として8畳程度の大きさの室内に人体模型、5,10wの豆電球を模型人体の各部に配置して75w常時発熱をさせ、食後1時間は20w余分に発熱をさせました。 ほかに冷蔵庫は電源を入れぱなし、TV、照明電球は時間制御で発熱させたのみの結果です。 大きな成果として、徹底した高気密高断熱化によって、夏季に冷暖房負荷は、排熱換気をすることによって増えない、すなわち、年間の冷暖房負荷は小さくなることを証明したことです。 |